ラグーナ合同、MCCチャンピオンシップレース記

by DBV M.A
一寸先は闇。この先にどんな運命が待っているのか?予測出来ない事を言うのだが、正に第一レー
スはこの言葉がピッタリだった。昨年から始まったラグーナ合同レースは参加艇数も多く艇種もさまざ
まで、非常に厄介だが面白いレースだ。予報では午前中、北西が5〜6m/s吹いてまずまずのコンデ
ィション。それにしてもすごい数だ!海面に出て行くとMCCレースとは全く違う風景に、さしずめエリカ
の前哨戦といったところ。第一レースは10時半スタートでコースの設定が岸に近く、風が心配だ。
本部艇側からスタートすると、お約束のオデッセイが上に併走するが、彼らも我々のフォープレスで艇
速が伸びてない。I氏にそれを告げると岸側へタックしてくれた。ガストはと言えばリミット寄りから出て、
あっという間に上マークを回航。我々はガストに続いて2番手回航すると、今年はサイドマーク設定の
新コースでガストを追っ掛けてスピンアップ!
何があったのか?直ぐ後ろに続くペルシェはスピン
が揚がって無い。結構前から吹いているが、我慢し
てサイドまで走ると、そのまま落として回航。更にジャ
イブを決めて、いざ下マークへ。しかしこの後、大変な
ドラマが皆を待っていた事は、この時点では誰も予想
できなかった!順調にガストが下マークを回航し、離
れはしたが我々もその後に続く。今日はラグーナから
海陽にかけて岸に近い程風が安定していない。
この頃から徐々に風が落ちて、振れも安定しなくなっ
て来た。「えっ!」前方にポートを延ばしたガストが淋
しそうにセールをシバーさせ、突っ立っているのが視
界に入る。「いかん!」「あんな所へ行っては!」(パ
ーティーで「ガストを抜く」と言ってわざわざ寄って行っ
た艇がいたそうだが・・・)即、タックして沖へ向けるが
、既に風は無い!ついさっきまでは、行け行けどんど
んだったのに・・・。あろうことか?よく見ると下マークへ向かって戻っている。上マークの方角にはしっ
かり風が見えている。「あ〜早く来い!」その間にも、あっちを向いたり、こっちを向いたり。
何と!あんなに先行したガストは、とうとう我々の後ろになってしまい、しかも、あれだけ離した後続艇
たちがじりじりと迫ってくる。「沖の風を拾おう!」と思ったら、あのペルシェが悠々と走っている。
「しまった!」あそこには風があるようだ。時、既に遅し!やるせない気持ちをぐっと抑えて、何とかゴー
ル!やっと着順2位。修正ではなんと8位。うへ〜である。

第二レースは完全なリミット有利。ゼネリコの後、スタート1分前にカウントダウンしながらラインを流して
、リミットへ寄って行った。狙い通りジャストスタートすると今度はホープから「下」のコールが掛かる。
まだ水があるので上りを延ばすが、風向からすると、早くタックしたほうが良さそうだ。後方からフローレ
スが同じタックで接近して来る。良く無い位置だ。これ以上、このまま走りたくないので、お尻を通ってで
もタックする事を決めた。気合を入れてタックすると、正面に上マークが見えちゃった。「してやったり!」
にんまりしながら視線を下の方に移すと、遠く離れた所にガストが同じタックで走っている。この高さに
思わず興奮!暫く並走を続けるとガストがタック、下からぐいぐい大きくなって来る?が、「おぉ〜っ!俺
たちの方が圧倒的に先だ!」彼らの前を余裕で交わした。

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