完走47時間13分33秒

(第47回パールレース参戦記)

by ダンシング・ビーン  M.A


鳥羽パールレースの前夜祭で石原慎太郎氏が「オーバーナイトのレースをやらなくてどうするんだ!」
と激昂してから久しいが、パールレースは今年から鳥羽の冠も取れて、既にスタートもフィニッシュも
場所が変わり、前夜祭も一頃の賑わいは無くなった。
DBは今年もこのレースに参加したのだが、今回は金曜の10時10分にスタートしてフィニッシュが
日曜の朝9時半。実に「47時間」もの間、海の上にいた。確かにゴールが江ノ島になって油壺の時
代に比べて距離は延びたが、御前崎は夜中、石廊崎が朝で、夕方までには江ノ島に・・・と言う勝手
な腹積もりは全て誤算になってしまった。
うねりと波、肝心な風は終始微風、いつまでも明けない梅雨に突然の土砂降りの雨など天候に翻弄
されて、我慢に我慢を重ねたレースでした。
前週の恐怖の雷MCCナイトが終了した後、寝不足を堪えながら木曜の回航に備えた。
まずは五ヶ所湾へ出航、いつもと違うのは天気で8時間の機帆走中ずっと小雨混じりの曇りだった。
マストの密度が濃くなったVOCに夕方4時には舫う事が出来た。前夜祭に参加する2人を除いて、
陸からのメンバーを待って夕食を取り、早々に旅館で休む事にした。何せ、皆ぎりぎりまで仕事をやっ
て来るサラリーマンクルーだから。
一夜明けても夏空は顔を見せる事無く、宿のある宿浦からVOCまで、陸路では無くクルーザーの渡
しのお世話になりました。毎年恒例の氷の調達が要らない程、今年は涼しく体力的には楽だが、曇天
はやはり気が滅入る。せめて気持ちだけでもテンションを上げようと見送りの東海テレビのカメラに愛
想を振り撒きながらスタート海面へ出掛けて行った
海上自衛艦の「すおう」がスタートラインを作り、メジャーレースならではの威厳を放っている。最初の
ポイント神の島へはリミット側が有利で、混雑を予測した我々は中央の空いている所からスタートする
事を決めた。予報は東の風が3〜4m/sその後、南から西よりに変わり、最大で11m/sで沖に行け
ば行くほど強い風が期待できそう。
しかし、スタートから風は弱くて船足は延びず、まさかフィニッシュまで2日も掛かるとはこの時は思い
もしなかった。リミット側からガスト、本部船側にはココリン、DBの直ぐ横にはXヨットのリバティー、反
対側にはSEAM33のアリアドネ、振り返るとファースト36.4のトレーサーがいて、この位置ならまず
まずといったところ。
だけど、サンラックは早かった。同型艇なのにあっという間に見えなくなってしまった。
遅いペースにいらいらしながらも、やがて吹くだろう強風を期待しつつ、どの位まで吹き上がるのか?


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