マスト周辺はロープ類、工具類の大きなロッカー(ビールも在った)が3ヶ所。ドッグハウス内
のトップフロアは左に航海計器類が並ぶナビスペース、右にはバーとバーカウンター(イス付
)が在ります。8人と5人が寛げるソファーとテーブルのメインサロン、ここにはTVやオーディオ
セットが在り、窓辺は観葉植物や置物が飾られています。
 後方に出た所がコクピットです、ここは15人程が座れる屋外サロン(食事は何時もここでと
り、寛ぎの場でもあった)、操舵はこの右舷寄り1m四方程のスペースが全てです。サロン後
方にメインシートリーダーが在り、キャットウオーク後方の船外には10人乗りのゾディアックを
吊ってあります。セールの揚げ下げ、シート・ロープの取り回し等全てがゲストの行動を妨げな
い造り、さすがにチャーターヨットならではのアイディアです。ちなみに、メインエンジンとゼネレ
ーターはヤンマー、船外機はヤマハ、ウインチ・ブロック類はリューマ、レーダーとGPSはフル
ノで日本製品の評価は高かった。
 
乗員はキャプテン:オリヴィエ(?才)元?フランス人、世界で名立たる多くのレース経験者。
航海中も自分が参加した「世界周航レース」のスタートから優勝までのDVDを見せていた。
で、今は「艇が我家」家は売ってしまい陸には住まいはない、とのこと。
 クルー:スティーヴ(20才)ランギロア環礁内の島出身者。両親は飛行場の在る島(アバトル
村)に居住。兄夫婦が出身の島(4つ半の島を所有)でコプラを作っているとのこと。
 クッキング:ドゥチッヒ(?才)タヒチアンの女性だが出身地は聞いていない。若くていつも花を
髪に差していた。キャプテンの恋人かも??食前酒(シャンパン、ワイン、ビール、ジュース類等
々)から食事、デザートまでその気配りはバツグン。毎回大ボリュームでゲストの国籍に合わせ
、イタリアン、フレンチ、米国風(肉の塊)、刺し身の献立も出された。米飯も出たが以外と美味
であった。

夢に見た南太平洋のサンライズ、サンセット。夜はまばゆいばかりの
星空。高度40度辺で主張するサザンクロスがくっきりと見られます。

 欧米人は食事にタップリと時
間を掛けるため、時にはその
間に出航し帆走中のさわやか
な風の中での食事も楽しめた。
2日目の昼食は島に上がって
バーベキュー?ヤシやバナナ
の葉を編んで食器や敷物を作
り、実を採ってジュース、果肉、
殻と無駄無く使う。
クルーが採った魚、貝、現場作
りのパン・デ・ココ・・、総てを全
員参加で行ない、手掴みで食
べました。時間を忘れ夕方まで
原始生活?を楽しませてくれた。
このように毎日をスノーケリング
、カヤッキング、水上スキー、磯
歩き、……と全く時計を見ない
日々。遊び疲れて艇に戻る、そ
のままの錨泊あり、次のアンカーレッジに向かったり。毎日の一瞬たりとも飽きさせないクルーの
ホスピタリティー、一緒に遊ぶバイタリティー。
 帆走では点在する暗礁をかわしながらの舵行(時には2-3mの近くを通過!)、しかも完璧な
セールトリム。特にレージーガイの使い方は巧みで1mはあろうテルテールは常にセールの延長
線に流れており、安定した風力に11〜13ktで巡航する。安全と走りに徹した技量はさすがで、
勇者の片鱗を窺い知ることが出来ました。